レビューアー/チェッカーは翻訳をどの程度修正するべきか?
翻訳会社には翻訳者とレビューアーの両方が在籍しています。
レビューアーは「翻訳チェッカー」や「校正者」とも呼ばれます。
海外の翻訳会社ではレビューアー(reviewer)、国内ではチェッカー(checker)の呼び名が多いです。
校正者(proofreader)と呼び、ケアレスミスなどの防止に重きを置く場合もあります。
会社ごとに役割が異なるので、翻訳会社とのやり取りの中で業務範囲を確認することが大切です。
結論:レビューアーの修正は全体の1/3未満に抑えるべき
気合いの入ったレビューアーが過半を修正し、後で問題になるケースは日常茶飯事です。本当にその翻訳文が悪くて「訳し直し」に近い修正が必要であれば適切な修正量ですが、おそらく大半はレビューアーが自分の好み(Preference)を全面に出し過ぎた失敗例でしょう。
過ぎたるは及ばざるがごとし
修正のしすぎは、修正しなかったのと同じです。文章の半分も修正するのはやり過ぎです。
「改悪」になるおそれがあります。翻訳文の質が高ければ1割の修正でも十分です。
どうしても翻訳者は原稿に引きずられやすいので、第三者の目で軌道修正するレビューアーの存在は不可欠です。ただし、レビューアーの仕事は翻訳者の文章を尊重し、その価値を一段と引き立てること。自分色を出すことではありません。
駆け出しの頃、当事務所の代表も張り切って修正しすぎてダメ出しをされたことがあります。
ついつい自分色に染めたくなりますが、グッと我慢して推敲するのもレビューアーの大切な資質です。
必要な修正量は翻訳文の質次第と言ってしまえば、身も蓋もない話ですが、せいぜい3割までに留めるべきでしょう。それ以上必要なのであれば、依頼する翻訳者が適切でなかったことになります。