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通訳と翻訳の違い:二刀流はできるの?

 

「この書類を通訳してください」と言われると、翻訳会社の担当者は戸惑います。

“何か” が変なのですが、お分かりでしょうか?

 

通訳と翻訳の違いについて簡潔にご説明します。

  • 通訳:音から音へ  (話し言葉を耳で聞き、口で別の言葉を話す)
  • 翻訳:文字から文字へ(書き言葉を目で読み、手で別の言葉を書く)

正しくは、「この書類を翻訳してください」ですね。

 

通訳と翻訳は似て非なるもの。求められるスキルも大きく異なります。

マラソンにたとえるなら、短距離走と長距離走といったところでしょうか。

 

100メートルを速く駆け抜ける通訳(または同時通訳)と、42.195キロをペースを保ちながら走り切る翻訳。もちろん足の速い人はどの距離でも一般人より速いのですが、短距離走の金メダリストがマラソンで優勝できるほど甘い世界ではないですよね。

 

通訳では、話者の傍でその意図を即座につかみ、場の流れを途切れさせずに進める訓練が必要です。

翻訳では、著者の真意をくみ取り、綿密に調査して完成度の高い文章を推敲する訓練が不可欠です。

 

優秀な通訳者だから翻訳もできる、とは限らず、実力のある翻訳者でも、通訳となると話は別です。耳で聞いた音を口で話すのと、目で読んだ文字を手で書くのは大違いで、かなり大げさに言えば、歌手と小説家ぐらい違うのかもしれません。

 

一部には通訳と翻訳の両方を高い水準でできる方もいますが、その大半はメインの業務が通訳者です。なお、英語ではすみ分けが比較的されていますが、英語以外の言語では両方をこなす方も珍しくないです。これは業界全体の仕事の総量が大きく影響しています(英語の依頼が全言語の過半を占めています)。

 

通訳と翻訳、どちらの仕事を依頼する場合も、その専門の会社を選ぶことが大切です。

さらに会社ごとに得意な専門分野も大きく違います。その道のプロに依頼すれば満足のいくサービスを手にできるでしょう。このブログが何かの参考になれば幸いです。ご一読いただきありがとうございました。

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