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日英同時開示ワークショップ「英文開示義務化への対応」

<目次>

1. 日英同時開示に向けたワークショップの概要

2. 参加したIR担当者の声

3. 弊社の気づき

4. まとめ

 

 

2025年4月1日以降、プライム企業を対象に決算情報の日英同時開示が義務化される見通しです。「いきなり同時開示まで義務化されるとは予想外だ」との声もIR担当者からよくお聞きます。その影響で、弊社にも「日英同時開示について情報が欲しい」とのご相談が多く寄せられています。

 

この記事では「1. 日英同時開示に向けたワークショップの概要」「2. 参加したIR担当者の声」「3. 弊社の気づき」について執筆しています。本記事が日英同時開示に関する情報収集や円滑な社内調整のヒントになれば幸いです。

 

1. 日英同時開示に向けたワークショップの概要

開催の経緯

2024年2月下旬に東証が同時開示の義務化についてパブリックコメントを発表して以降、「日英同時開示について情報収集したい」とのご相談が急増。その声に応えるべく、日英同時開示に向けたワークショップを開催してきました。

 

弊社の想い

「翻訳会社が頑張れば同時開示できる」わけではなく、「社内調整がスムーズに進まなければ困難」です。そのため、IR業務フローを俯瞰的に見直すきっかけを提供したいと考えています。

 

実施内容

通常50分(資料は約20頁)。PowerPoint資料に貴社のIR業務フローや各担当者の役割を書き込み、ワークショップ終了後にご提供します社内調整などにお役立てください。ワークショップの内容は各企業の状況に合わせて柔軟に変更。下記はその一部です。

 

  • ① 日英同時開示の背景:社内IRの一貫として、義務化の背景を知り、他部門や経営陣からの理解を得ます。同時開示の必要性/メリットを社内関係者にご理解いただき、「開示の直前に原稿の差し替えが入る」や「ちゃぶ台返し」を回避します。
  • ② IR関連資料を整理する:義務化の対象資料を把握し、同時開示に向けたスケジュールを練ります。海外投資家が重視する資料を中心に、どのように自社の魅力を伝えるかも議論します。その鍵は、実際に翻訳を担当する翻訳者との対話です。
  • ③ 社内外の関係者を整理する:複数の部門を跨いで円滑に原稿を完成できるように、着手から校了までのプロセスを可視化します。同時開示に向けたボトルネックが何か特定し、その対策を議論します。

 

2. IR担当者の声(参加の成果)

A「こんなにまとまって業務を考えたのは初めて」

B「どの資料を翻訳するか明確になり、決算説明資料の英訳も目途が立った」

C「普段の会議でなかなか決まらず先延ばしだったことが、決まった!」

 

嬉しいお声を沢山いただいております!皆様のお話をお聞きしていると、ワークショップの前後で変化が見られるようです。

 

3. 弊社の気づき

ワークショップの開催で弊社が気づいた点をご紹介します。予想外の気づきがあり、非常に有益でした。

 

気づき①:翻訳の対象資料や「同時開示が必須か」の注目度が高い

「どの資料を英文開示するのか」は、よく議題に上がります。迷っている企業が意外と多かった印象です。また、「何日遅れまでが許容されるか」は各社で解釈が分かれており、正解もないですが、海外投資家の動向や他社の動向を知ることで、目安も見えてきます。

 

気づき②:いつから同時開示に着手するのか

「年明け頃から始動すればいい」と考える企業もありますが、「それで間に合うのかな・・・」というのが正直な感想です。弊社の認識は「年内に同時開示の準備を全て完了し、年明け以降は同時開示の本番テスト」です。2025年1月以降は全資料で同時開示を目指します。未達の状態で2025年4月1日を迎えるのは、少し怖いです。

 

気づき③:英文開示に翻訳者との対話は不要?

ワークショップ中に「翻訳者と話すのは今回が初めて」と伺うことも予想以上に多かったです。英文開示では「IR担当者⇒翻訳者⇒海外投資家」の順に情報が伝わりますが、間に入る翻訳者の企業理解が浅いと、海外投資家にも伝わりづらいです。IR担当者と翻訳者がお互いの顔や名前も知らない状態は望ましくないですね。

 

4. まとめ

この記事では「1. 日英同時開示に向けたワークショップの概要」「2. 参加したIR担当者の声」「3. 弊社の気づき」についてご案内してきました。「翻訳者と話をしたのは初めて!」というIR担当者もいて、ワークショップも盛り上がりました。

 

同時開示を円滑に進めるには、社内で一致団結すると共に、社外の翻訳者と密に連携することも大切です。IR業務フローが明確になっていれば、開示日から逆算してスケジュールを組めますし、他部門の協力も得やすくなります。

 

もしワークショップに参加したい企業様がおられましたら、弊社のお問い合わせフォームまでご連絡ください。当面は無償で対応しておりますので、お気軽にご相談ください。https://translation-pro.com/contact/

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